バジル氏の優雅な生活5　文庫版　　

 
＊再録＊
「銀眼の猫」1985年Wendy　Autumn号

ハリーのモデルをしてるアーサーは詐欺師である。彼はある朝一人の老人に声をかけられ、ハリーの絵を買う仲介を頼まれたのだが..。詐欺師も顔負けの名演技でアーサーをひっかけるバジルの恩師テルコッツ先生が魅力的です。

 
＊再録＊
「ホイットマン白書」1986年Wendy　Winter号

ウォールワースと同じ議員をしているホイットマンは毒舌家のせいで多少の恨みなら数多くかっていると思われている。そんな彼が歯を誰かにへしおられたという！？事の真相はいったいどうだったのか。そして、頑固者のウォールワースはバジルに仲直りがやっぱり言えないのだった。

 
＊再録＊
「君の夢の木馬」1986年Wendy　Spring号

酒好きのメリックの息子、バート君が劇場グロウブ座を買い取った上に、素人でどうしようもない大根役者なのに主役をやると言い出す。バート君が選んだ相手役・ジュディスの演技はしかし光るモノがあった。演劇批評家のマックスに彼女の練習を見せるバジル。彼女は実は不世出の名優の娘だった。そんなことも知らずどたばたと動く周囲と対照的に、情熱を静かに燃やすジュディスが美しい。

 
＊再録＊
「ランスロットの遺産」」1986年Wendy　June号
＊コミックス収録時加筆修正あり＊

バジルの友人の中でも少し近寄りがたいムードをもつトレバーが親に決められた美しい婚約者と結婚したが、一年が過ぎてなぜか彼は妻に冷たい。彼の一番親しい友人エイクは二人を心配するが...。これが大人の男の美学というか諦めのダンディズム的逸品。切ないです。

 
＊再録＊
「フィッシング」1986年Cindy Summer号

ルイ君と郊外の静かな場所に釣りにきたバジル氏。二人はそこで釣りを楽しむ男性と出会う。ケイツ先生と村人に呼ばれるその人は実は動物病理学の教授だった。素朴な田舎の暮らしと、親切な村人達との交流がほのぼのする。

 
＊再録＊
「射撃大会」1986年Cindy　Autumn号

ビルトワック子爵の死亡事件に不審を抱いた警視総監とバジルの会話を聞いたルイ君、好奇心の虫が動いて用事のついでにちょっと聞き込みしてしまったならば、犯人に捕らわれてしまう。救いに来たバジルも今回さすがに危機一髪。

 
＊再録＊
「ナポレオン・アイビー」1987年Cindy　Winter号

ビクトリアに小間使いを一人引き抜いて欲しいとお願いしたバジル。何も聞かないでその約束を果たすビクトリアは、彼の真意を汲んでその可愛い小間使いエマの問題を解決してやる。一方、女性に気に入る贈り物に長けたバジルに対して劣等意識をもつ夫、チャールズがけなげである。

 
＊再録＊
「ストレンジャー・イン・パラダイス」1987年Cindy祝新入学特大号

バジルの友人の一人、ライオネルは最近、様子がおかしい。彼が最近付き合いだした、遠い国から来た男に魅入られているのだ。謎めいた男にライオネルは借金しながら多額の金を融通してしまい彼の父も心配している。未亡人殺しの真犯人ははたして誰だったのか謎のまま、男は去っていく。

 
＊再録＊
「廃園の秋」1987年Cindy　Summer号
＊コミックス収録時加筆修正あり＊

嫉妬深い夫をもつラムズコート伯爵夫人の落とした扇を拾い、何も知らずその手にキスしたバジルは、その後も行く先々で彼女と出会ってしまう。自分を愛してはくれるが、とじこめられた世界の中にいた彼女はバジルと出会ったことをきっかけに、夫と別れ、新しい人生を歩む決意を彼に語る。この作品がシリーズ最後なのだが、この終わり方は謎めいている。（コミックス収録にあたり加筆あり）

 
＊再録＊
「百の器」愛蔵版のための描きおろし

バジル氏が周囲の人たちと広大な庭でかくれんぼをしながら個性豊かな人たちは、最後に見つけたビクトリアと「人は百の器のようだ」と思いを馳せる。

 
解説「夢の木馬に乗って」南條竹則


白泉社　１
白泉社　2
白泉社　3
白泉社　4
白泉社　5