マーガレットとご主人の底抜け珍道中　文庫版（望郷篇）

マーガレット奥さんとご主人シリーズ。好奇心旺盛でどこにでもすぐ出かけてしまうマーガレット奥さん、それを追いかけて旅するご主人のお話

小学館（1989-90年）発行同名コミックス（3巻～5巻）の文庫版　

＊再録＊
「草原の輝き」　プチフラワー1988年4月号

ご主人が出張先で仕事を終えて昼食に入ったお店では子どもが店番をしていた。商売上手な子どものペースにのせられてどこか釈然としないご主人だったが間違えてバスに乗ったおかげでクロップマークやホワイトホースが見られて感激。

＊再録＊
「失われた都」　プチフラワー1988年6月号　

二人でブルターニュのペンションにやってきた。気持ちのいい朝、ペンションの人においしいお弁当も作ってもらって海岸へ散歩に出かける。そこでご主人は不思議な女性に出会うのだった。

＊再録＊
「吸血の森」　プチフラワー 1988年8月号

吸血鬼伝説が残る地方にやってきた二人。ホテルで翌朝起きたご主人の首には２カ所何かに刺された後があった。迷信を信じるウェイターはそれを見てホテルを辞めると言いだし、ご主人の周りで変なことが起こり始める。

＊再録＊
「海のセーター」　プチフラワー 1988年12月号

漁師町に仕事でやってきたご主人。セーターが全部洗濯中だったので寒い！パブで出会った漁師さんと仲良くなって、揚げたてのニシンが貰えるというので翌日も同じ店で待つご主人だったが・・。漁師達が着ているフィッシュマンセーターは厚手の手編みセーター。とても暖かそうでいいのだが、もし事故にあった時に故人が誰かすぐ分かるように奥さんが独自の模様を考えて編む、という漁師町ならではの話に、ちょっとしんみりする。仲良くなった漁師さんの奥さんがマーガレット奥さんにそっくり。

＊再録＊
「名犬ナポレオン」　プチフラワー 1989年1月号

奥さんがお友達から預かったナポレオンはきれい好きのダルメシアン。ご主人の大事にしてる鉢が土で汚れているので家に取り込むと蹴り出してしまい、ご主人とは反りが合わない。だけど翌日、ご主人の忘れ物の書類をくわえて届けてくれるのだった。

＊再録＊
「オリーブグリーンの春」　プチフラワー 1989年3月号（初出時タイトル「霧の街」）

ギリシャの春。「珍しい花もあるかもしれないわね」の一言でつられてしまうご主人だったが行くところ行くところ石の遺跡。そんな時に親切なタクシーの運転手がガイドを申し出るのだが・・？

＊再録
「庭のたのしみ」　プチフラワー1989年5月号（初出時タイトル「オリーブグリーンの春」　）

園芸が趣味のご主人が楽しみに植えた薔薇が枯れてしまった、そのわけは？（それにしてもマーガレット奥さんが作るお菓子や料理はどれも美味しそう・・。）

＊再録＊
「訪問者たち」　プチフラワー1989年7月号（初出時タイトル「庭のたのしみ」　）　

ご主人に影響されてか園芸に興味を持ち始めた奥さんだったが、どうも花だけでなく、庭にくる虫たちにも興味があって、ご主人は大切な鉢を思って困惑気味。

＊再録＊
「時間の森」　プチフラワー 1989年9月号

仕事のために辺鄙なところに住む友人を訪ねるご主人に奥さんもついてきた。好奇心旺盛な奥さんは、ふつうの人がいやがるトカゲや虫やカエルといった生き物たちにもただ興味があるばかり、なんでも面白がってしまう。ジャングルの近くに住む生活にうんざりしていた友人もそんな奥さんのおかげで少し気持ちが明るくなるのだった。

＊再録＊
「プディング」　プチフラワー 1989年11月号

クリスマスプディングが楽しみなご主人がお友達と話してると、その人がプディングを知らないようだったので家に招いてごちそうすることに。できあがりを待つ間、プディングにまつわる話をする。

＊再録＊
「氷河期」　プチフラワー 1990年1月号

冬の日。奥さんがお隣のティム坊やとお茶しながら恐竜の話を読んでいると、ガスが止まり、雷が落ちて停電してしまう。雨は降るし、暗くなるし、まるで氷河期が来たみたい。

＊再録＊
「雪の日」　プチフラワー 1990年3月号

大雪の日。奥さんにねだられて大きな雪だるまを作らされるご主人。そういえば、子どもの頃も似たようなことがあったなあ・・・・小さい頃のご主人のお話。

＊再録＊
「歩く思い出たち」　プチフラワー1990年5月号

二人で田舎道をドライブしてると車がエンストで動かなくなった。通りがかりの車の人が二人を自分の屋敷に泊めてくれると言ってくれて助かったのだが、そこは電話もない、古い古いお屋敷。先祖代々の肖像画がかかってるようなところで何か出ないかとわくわくする奥さんだった。

＊再録＊
「真夏の夜の夢」　プチフラワー1990年7月号　

月の夜、ご主人が散歩してるとふしぎな森に迷い込んだ。どうやらそこはシェイクスピアの「真夏の夜の夢」の森。奥さんそっくりの妖精の女王が出てきて・・？

＊再録＊
「アラウンド・ザ・クロック」　プチフラワー 1990年9月号

寝室にミミズクが飛び込んできた。出ていくまでそっと待つことにしたのはいいけど、奥さんが庭で寝ようと言い出した。ベッドじゃないところで寝るのはわくわくする、という奥さんと、ご主人の会話がとっても素敵なお話。　

解説＊皆川博子
「シュールでほわー」

収録作品リスト

早川書房